CharitySanta サンタ新聞

【速報!】2015年12月クリスマスイブ感動速達号!

サンタになって、耳が聞こえない事が誇りに思えた

2015年12月29日 15:06 by yamada_ritsuko

2014年のある日。大阪支部にYくんという1人の男の子がやってきました。

「聴覚障がいを持っています。会話の時は筆談など配慮して頂けたら幸いです。ご連絡はメールでお願いします。」

Yくんはチャリティーサンタに興味をもち、活動に関わりたいと申し出てくれました。

当時、運営スタッフだったメンバーは彼のもつハンディキャップを考慮し、訪問するサンタではなく、サンタをサポートする「サポートサンタ」として活躍してもらおうと考えました。

その選択肢が必然だろうと、当たり前のように私たちも、彼自身も思っていたのです。

しかし、2015年のクリスマスが近づいたある日、1人の運営スタッフがネットで話題になっていた「手話サンタ」の動画とともに「Yくんをサンタクロースにしたい」と言い出したのです。

 

確かに・・・!耳が不自由でもサンタクロースになれる可能性はある!!

 

手話ができるYくんであれば、耳が聞こえない子ども達ともコミュニケーションをとる事ができるし、聴覚障がいを持つ子ども達にも幸せを届けられるかもしれない。

そしたら、Yくんもサンタクロースになれるじゃないか!

そんな想いから、早速、聴覚障がい者を支援する施設にコンタクトをとってみました。

 

ただ、現実はそう簡単ではありませんでした。

「聴覚障がい」というハンディキャップについて私たちの知識は本当に薄く、相手に喜んでもらえる提案ができなかったのです。

自分の無知さがとても恥ずかしくなり、浅はかな行動を反省しました。 

Yくんからも、もっと学ばせてもらわないといけない。

障がいのことを理解しないといけない。

Yくんから手話を学んだり、聴覚障がいの支援をしている行政の担当者の方から話を聞いたり、できることは何でもやりました。

 

それから数日がたち、私たちの想いが通じたのか、ある京都の聴覚障がい者施設の方に話を聴いてもらえる事になりました。

そこで私たちは、これまで机上で学んだ知識以上の「現実」を目の当たりにしたのです。

 

一言で「聴覚障がい」と言っても、その程度も個人差があり、手話ができる子もいればできない子もいる。

中には、耳以外の障がいも同時に抱えている場合や、手話を理解するが返答は言葉で返すというパターンもありました。

耳が聞こえないYくんだけでは、これら全ての対応をこなすのは難しい・・・。

再びYくんをサンタクロースにする事に壁が立ちはだかりました。

 

もっともっと自分たちも学び、サポート体制をつくらなければ。この頃には、大阪支部のほとんどのメンバーが「Yくんをサンタクロースにしたい」という想いを持って行動し始めていました。


施設の方と打合わせを重ねるうちに、施設内で毎年、クリスマス会の日に子ども達がサンタクロースになって、施設内のスタッフにクッキーを渡していることを知りました。このやり方であれば毎年やっていることなので、施設側のノウハウもある。

私たちは「子ども達がプレゼントを届けるお手伝いをしていることを知ったサンタさんが、今年は直接プレゼントを子ども達に託しに来た」というストーリーを提案してみました。

子ども達のところへサンタクロースがやってくる・・・その様子を想像した施設長もみるみる笑顔になり、早速先生方へも協力を依頼し、先生方もワクワクしながらこの提案に賛同してくださいました。

この「直接プレゼントを託しに来たサンタクロース」をチャリティーサンタの手話サンタが担います。これまでになかった特別なクリスマス会の形ができあがりました。

手話がわからない子ども達のために、サポートサンタが言葉や文字でサポートする。

Yくんから手話を教えてもらい、サポートサンタも子ども達と手話で会話ができるように練習する。

施設の皆さんも、協力してくれる・・・。

上手くいく予感がしました。

練習段階のロールプレイングでは、たくさんのメンバーの想いやりが詰まった「Yくんサンタ」の姿に、涙がでそうになりました。

 

そしていよいよ本番当日。

赤い衣装を身にまとった、耳の聞こえないサンタクロースが誕生しました。

扉をあけた瞬間、「サンタさんだー!」と目を輝かせた子ども達に対して、一生懸命メッセージを伝える手話サンタの姿がそこにありました。

手話で「サンタさんの代わりに、施設の中にいる人達にプレゼントを配ってくれるかのぅ?」と子ども達に呼びかけるサンタクロース。

真剣にサンタクロースの手話を見つめる子ども達にサンタからのメッセージは伝わり、サンタクロースから子ども達へ、子ども達から施設の方へとプレゼントと笑顔がリレーしていきました。


Yくんは後日、サンタクロースになった感想をこう伝えてくれました。

 「初めは不安もあったけど、心強いサポートサンタがいたので、当日はどんな子どもがいるのかな、どんな手話が見れるのかな。とワクワクしながら向かいました。
自分に何かできることをずっとやりたいと思っていたので、それができて本当によかった。チャリティーサンタを通じて僕は耳が不自由であることを誇りに思えました。」

 

私たち大阪支部のメンバーは、Yくんがいたおかげで聴覚障がいのことを知る事ができました。手話もたくさん覚えました。

Yくんがメンバーに手話を教えてくれたおかげで、街で偶然出会った聴覚障がいを持つ方にも「メリークリスマス!」と手話で伝えることもできました。すごくびっくりして、とても喜んでくれたことは忘れられません。

Yくんと出逢えたことは偶然かもしれませんが、Yくんと出逢えたからこそ、笑顔にできる人が増えました。

Yくん、そして大阪支部のみんな、本当にどうもありがとう。

 

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